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TBRの社員が「経営センサー」に寄稿しています。

手計 仁志

政(まつりごと)とは






人材開発部兼ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部
手計 仁志

 東レ経営研究所は、千代田区は神田という歴史ある街にオフィスを構えています。千代田区とはどんなところでしょう? 区名の由来は江戸城の別名「千代田城」から来ています。皇居・東京駅・国会議事堂・200社超の一部上場企業などを有し日本の中心地であると同時に、多くの大学・古本屋街・世界のAKIHABARAなどの文化教育発信地でもあります。

 私は今年2月、友人が千代田区長選挙に出馬するとのことで、早朝の駅立ち挨拶や応援弁士としての街頭演説などのお手伝いをしました。他支援者も会社員・主婦・学生などで、いわゆる特定の議員や団体の支援を受けないユニークなチームとしてメディアにも大きく取り上げられました。

 千代田区は通勤人口82万人・定住人口6万人という典型的なオフィス街です。大手企業からの税収等で900億円超の潤沢資金がある一方、わずか6万人の区民の声はこれまで拾いにくく、より魅力的な街づくりの機会を逃してきたとも言えます。友人である候補者は選挙期間中に区内を100kmも練り歩き、保育園拡充・商店街振興・就業起業支援など多くの声を直接聞き、本来あるべき区政の実現を掲げました。しかし結果は残念ながら、かの劇場型女性都知事の推薦を受けた現職区長の圧勝再選となりました。

 今回の選挙で感じたのは区政と区民の距離の遠さです。街路樹が伸びっぱなし(豊富な財源はどこへ?)、実情は500人弱の待機児童(公表値はゼロ)、区条例で禁止のはずの路上タバコ(通勤者による住民への副流煙被害)など、区民不在の区政との声を聞きました。ビジネスでいえば四半期業績公表・株主総会開催・CSRレポート発行などの情報提供は当然ですが、政治がいかに遠くて特殊な場所に位置づけられているかということでしょう。そしてその責任所在は首長や議員ではなく、何より投票権を持つ私たち自身にあります。

 選挙期間中に区内在住のおばあさんに伺った話です。女性参政権を得た終戦直後の選挙において、彼女は投票に着て行くための晴れ着を枕元に用意し、前夜はワクワクして寝付けなかったそうです。「清き一票」という使い古された言葉がありますが、先人たちが参政権を勝ち取った歴史に思いをはせると、あらためて一票の清さを感じます。政治は一部の政治家によってではなく、投票権を持つ全ての市民によって、市民の代表者たる政治家を通じて行われるべき、という当たり前のことをあらためて考えさせられます。

 「政」は一文字で「まつりごと」と読みます。歴史ある神田の街に古くから続くお祭りにおいて、市民は歴史と伝統に対する誇りと責任を持って神輿を担いでいます。私たちは誇りと責任を持って私たちの代表者を担ぐことができているでしょうか。今回私や友人たちが推薦者や応援弁士になれたように、私たちと私たちがまつりごとに担ぐ政治家は、本来もっと身近な場所でつながるべきなのかもしれませんね。次の選挙では、今、あなたの手の中にある清き一票をどのように使いたいですか?

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