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TBRの社員が「経営センサー」に寄稿しています。

福田 貴一

寅さんと旅と研修






人材開発部
福田 貴一

 私は大の寅さんファンです。映画「男はつらいよ」のあの寅さん。つい最近も柴又帝釈天近くの「寅さん記念館」を訪ねて、その世界を存分に楽しんできました。いつも旅をしている寅さんが故郷の柴又に帰って来るたびに巻き起こす一悶着や行く先々での一目ぼれと見事にフラれるストーリーはお決まりのパターン。旅は人を成長させるとの一般論は寅さんには当てはまらないようです。しかし、その物語の中で寅さんの口から自然と出てくる一言一言に、深く考えさせられることが私には多くあります。同じ内容を時を置いて見るたびに新鮮な思いをします。

 講師を務める研修の冒頭、これから過ごす時間を「旅」に喩えて説明することがあります。例えば、3 日間連続するような研修では、いくつもの参加型の内容が組み込まれていることが常です。その中では、いつもの考えでは解くことができない演習課題に取り組んだり、いつもの仕事仲間とは違う人たちと意見を交わしたりしながら学んでいきます。こうした非日常性は旅先での環境と似ていると思うのです。
 また、研修の中で提供される課題に対しては、失敗を恐れたり恥ずかしがったりせず臨むことが、取り組み後のふり返りを通じた学習効果を高めます。異なる環境で仕事をしている初対面の参加者との率直で遠慮の要らない交流からも、大きな気づきが得られるものです。これは、慣れない旅先でのちょっとした勇気や冒険心が思いもよらない有意義な経験につながることとも重なります。
 一方、研修で全てを補うことができないのも現実です。研修に参加して容易に得られる効果を期待するのではなく、むしろその過程から仕事場面で応用できそうなものをできるだけ多くつかみ取って帰るところに意義があると思います。これは、目的地に至るまでの間にこそ旅の充実を左右する要素があるのと同じです。
こうして考えると、私の役割は、研修という旅をガイドするような側面もあると思えてきます。しかも、旅の見どころ楽しみどころをただ味わってもらうだけでなく、その後の意識や行動の変容を後押しするところまでを含めて。

 さて、さすがの寅さんでもこの旅には足が向かないでしょう。そのガイド役が寅さんの一目ぼれするようなマドンナだったら、話は違ってくるはずですが。

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